厚生労働省HPで公開されている情報によると平成30年7月1日~9月30日の熱中症入院患者数等は1,343人。
そのうち外来死亡は2%、つまり約27人ほどが熱中症で死亡したということです。
このデータはあくまで協力してくれる医療機関が任意に報告したデータを取りまとめたものなので実際はより多くの熱中症患者が発生しています。
出典:厚生労働省HP:平成30年7月1日~平成30年9月30日の協力医療機関における熱中症入院患者数
ときには死亡にも繋がる熱中症、あなたの現場では十分な対策が行えていますか?
夏の暑い現場では『作業開始時刻を早める』、『休憩時間を多め・長めに変更する』、『小まめに水分・塩分の補給を行う』など定番の対策を行っている方も多いと思いますが、昨今多くの作業現場にも取り入れられているのが空調服と呼ばれる暑さ対策グッズ。
暑さ対策は熱中症予防だけでなく作業員の作業効率低下にも効果がありますので、炎天下の現場や工場内でのこもった暑さで悩まれている方はぜひ導入を検討されてみてはいかがでしょう。
空調服とは
空調服とは小型のファン(扇風機)が付いた服のこと。
現場作業用の暑さ対策グッズはファン付のヘルメットなども販売されていますが、それの作業服バージョンです。
大体2個ほどファンが取り付けられており、見た目には小さいファンですがその威力は絶大。
スイッチを入れた瞬間から「あ、涼しい」と快適な環境を実感することができます。
ファンはモバイル型のバッテリーで駆動するので屋内・屋外問わずあらゆる現場で使用できますし、着るものなので作業の邪魔になることもありません。
スポットクーラーや業務用の巨大な扇風機で熱中症対策を行っている現場もありますが、電源の準備が必要だったり、重機の近くや作業範囲が広い現場では休憩場所でしか使えないという問題もありました。
それに比べ空調服は作業員ひとりひとりが身につけて作業中も送風を受けられます。
夏の定番である除草清掃作業や巡回のある警備員、地獄の舗装工などあらゆる現場で導入することが可能です。
空調服はメンテナンス性も良く長く使える
空調服のファンやバッテリーは取り外しが可能。
ファンやバッテリーを取り外せば普通の服と同じなので、空調服の素材に合わせた方法で洗濯することができます。
ファンやバッテリーは別の空調服にも使いまわしができるので、空調服だけ2枚、3枚と替えを持っていれば毎日洗濯しても大丈夫。
空調服のファンやバッテリーが故障してもファンユニット、バッテリーと単品購入が可能なので故障したりバッテリーが弱ってきても必要なパーツだけ追加購入してメンテナンスすれば長く使うことができます。
空調服は初期投資が高いがランニングコストは抜群
空調服とバッテリーのセットは1着あたり1万~2万円程度。
普通の服と比べても高い初期投資が必要です。
しかし2着目からはバッテリーを使いまわすことができるので空調服のみ買えばOK。
2枚目~空調服は1着当たり2,000~7,000円程と安価で追加購入することができます。
夏場に使うものですから当然着替えも必要ですし、初めは3着あればいいと思っていたけど後でやっぱり5着分欲しいという場合も「3,500円×2着=7,000円」のように手ごろな価格で買い足すことができます。
さらに先ほど紹介したように空調服はパーツ単位でも販売されているため、パーツごとの修理・メンテナンスや買い足しもできます。故障したときに丸ごと買い替える必要はなく、必要なものを必要な分だけ買い足していけるため小規模からの導入もしやすいのがうれしいところ。
これらは個人だけでなく企業で空調服を導入する場合にもメリットなります。
実際に作業員が30人の企業で空調服を導入する例を見てみましょう。
パターン1 作業員全員に空調服1セットを配備
商品 | 単価 | 数量 | 合計価格 |
---|---|---|---|
空調服+バッテリーセット | 2万 | 30着 | 60万円 |
1人1着の空調服を配布できれば全員が使用できますがコストがかかりますね。
予算に余裕があるか少人数の事業所でなければ負担が大きそうです。
パターン2 作業員全員に空調服1着を貸与し、交代で5人が使用可能
商品 | 単価 | 数量 | 合計価格 |
---|---|---|---|
空調服+バッテリーセット | 2万 | 5着 | 10万円 |
空調服 | 4,000円 | 25着 | 10万円 |
合計 | 20万円 |
- 全員が空調服バッテリーは会社で保管して共用のものとする。
- 空調服は作業員全員に貸与または購入してもらう。
パターン1に比べて初期投資は1/3まで抑えられました。
全員同時に使用することはできませんが、特に暑い現場を担当する作業員、高齢の作業員、寝不足や昨晩飲酒をした作業員など熱中症のリスクが高い人が交代で着用することで熱中症のリスクを減らすことができます。
もし必要であれば後からバッテリーだけ購入して同時着用できる数も増やせます。
パターン3 テスト導入として5人分のセットと予備で5着の空調服を購入
商品 | 単価 | 数量 | 合計価格 |
---|---|---|---|
空調服+バッテリーセット | 2万 | 5着 | 10万円 |
空調服 | 4,000円 | 5着 | 2万円 |
合計 | 12万円 |
- バッテリーは会社で共用のものとする。
- 少人数でテスト導入し、現場でも好評で他にも着てみたい人がいれば本導入を決めて必要な分だけ空調服を追加購入。
パターン1の60万に比べて初期投資は1/5。
導入を検討するか否かでかなり現実的な金額になりますね。
いきなり全員に配布するより数人でテストしてみて実際の涼しさ、作業のしやすさなどに納得した上で必要な分だけ追加導入する方が無駄が出ません。
企業で空調服を導入する場合、財源豊かな会社なら『空調服導入します』でパターン1のように一気に揃えることもできますが結構高額になります。
でも価格の大半はバッテリー・ファンユニットの料金なので、同時使用したい人数分バッテリーを購入して共用品とし、空調服は着用する可能性のある人数分だけ追加購入することでグっとコストを抑えることが可能です。
実際いきなり大量購入するのも怖いので、パターン3のように数着をテスト導入してみて、概ね好評ということであれば予算と相談しながら追加購入を検討するというのが現実的でしょう。
空調服体験者の口コミ
はっきり言って空調服は着た瞬間に効果を実感できます。
効果が分かりやすく着ている方の士気も上がるので暑さ対策グッズとしては年々人気となっており、現場だけでなくレジャーなどのシーンでも利用者が増えています。
そんな空調服で暑さがガラっと変わった人達の口コミを見てみましょう

汗の量が減りました。
近年夏の暑さが異常なので外作業はたとえ影のある場所でも短時間でなければ作業できません。暑さをどうにかしたいとネットで見つけて空調服を発見しました。
空調服を着ているとファンで上半身に風が送られてくるので汗をかかず、以前のようにベッタベタになりません。夏は大助かりでした。

夏のハウス作業にも耐えられます
空調服と背負うタイプの保冷バッグを併用すれば真夏のハウス内でもなんとか作業ができます。
さすがに涼しいまではいきませんが、これまでとは暑さも疲れも段違いです。BURTLE(バートル)の空調服は値段こそ高かったものの商品自体は丈夫です。

空調服なしには戻れない
外仕事の夫にプレゼントしました。
クーラーのように冷んやりというわけではないですが、汗のかき方が全然違うので手放せなくなっているようです。
空調服は素材も良くすぐ乾きますし、毎晩寝る前に充電していますが電池の持ちもいいみたいです。
これで熱中症にならずに夏を乗り切ってもらえるならいい買い物ができたと思います。

良かったので従業員にも購入
空調服を始めて使ってみましたがかなりいいですね!
電池の持ちもいいですしかなり使えます。
従業員にも購入することにしました。
空調服の口コミまとめ
やはり効果が分かりやすいだけあって満足されている方がとても多いようです。
夏の炎天下の下では空気自体が暑いのでクーラーのような涼しさまではいかないものの、汗のかき方に大きな違いがあるとのことで脱水や熱中症対策としてとても優れているようですね。
個人の購入だと奥さま・彼女さまが現場職や職人の夫・彼氏へプレゼントしていることも結構あるようでもらった方も手放せないほど喜んでいました。
会社によっては空調服を作業員へ購入してあげたり、購入補助をしているところもあるようです。屋外・屋内問わず暑さで人が倒れないようにしたい、作業の効率を上げたいと考えているなら導入してみるのもありだと思います。
空調服もメーカーが色々ありますが、上の口コミにもあるようにBURTLE(バートル)というメーカーの空調服 が丈夫かつスタイリッシュで人気があるようです。選ぶ際の参考にされてみてはいかがでしょう。
こんなにある!?空調服の種類と安いおすすめタイプを紹介
空調服はガッツリと外作業で使うものからスポーティーに切れるタイプまで様々。
業種ごとに適したモデル・デザインのものを取り入れることができます。
チタン加工タイプの空調服
チタン加工された空調服は赤外線・紫外線のカット効果が高く温度上昇を抑える効果もあるので炎天下の屋外向きのタイプといえます。
防炎タイプの空調服
油などの可燃物を取扱う作業など業種によっては防炎加工された作業服しか着られない業務もあります。
防炎タイプの作業服は生地が厚く、余計熱くなる作りのものが多くありますけど、なんと空調服でも防炎タイプのものがあるのです。
生地質的に他のタイプより価格が若干高めですけど、これで快適になるなら魅力的ですよね。
フルハーネス型安全帯対応の空調服
とび職の方や吹き付けなど法面工など高所作業を伴う方は安全帯が必須。
今までベルト型の安全帯が主流として使用されていましたが、『墜落防止用の保護具に関する規制のあり方に関する検討会:厚生労働省HP』にもあるように今後2019年~2021年に向けて土木・建築業界では安全帯のフルハーネス化が進められていきます。
フルハーネス型安全帯は今までのように巻くタイプではなく着るタイプになるため空調服は導入できなそうな気がしますよね。
しかし、空調服は土建業の現場を考えて作られた製品なのでなんとフルハーネス型安全帯対応の空調服もすでに準備されています。
墜落事故は重大災害の一つですし、暑さによるふらつきから発生する事故もありますので、とび職のように高所で動き回る人1人1人に暑さ対策を施せるのは素晴らしいことだと思います。
高視認性(反射材付き)の空調服
林業など山に入る業種の人は、誤って猟師に打たれないように反射材付きの傾向の作業服を着て作業を行うことがあります。
普通の作業着の上に着るタスキタイプの反射材もありますが、いずれも通気性が悪く暑くなるので夏場は余りつけたくありません。
しかも人と傾斜地であり人とチェーンソーだけで現場に向かうため現場に電源もないんですね。
木の陰で涼しいといっても作業で動きだしたら冬でも汗かいてきますし、夏場は当然かなりの厚さになります。
そこで林業の人の間でもモバイルバッテリーで動く空調服は重宝されているんですね。当然林業のような業種も考慮して反射材付きの空調服も販売されています。
テスト導入におすすめの安い空調服
倉庫内作業など暑いといっても特別に過酷にさらされるわけではないという場合、特別な生地など使われているものよりもとにかく安いものの方が試しやすいですよね。
テスト導入するときもまずは安いものでどれ程効果があるものか試してみたい方も多いと思います。
空調服は安いものだと税別12,000円台から購入できるものもあるので体験してみるにはおすすめです。
さいごに
近年の夏の気象は異常です。
ゲリラ豪雨の被害もさることながら暑さのほうも『災害級の暑さ』なんて呼ばれ方までされるほど異常だという認識です。
まじめな日本人は体調が悪いことを申告しづらいため熱中症も発覚が遅れて死亡事故に繋がる事案もたびたび目にします。体調不良を本人が申告すること、申告しやすい環境を整えることも大切ですが、道具で熱中症のリスクを減らせるならばその方がより確実で効果的ではないかと思います。
それに作業員も暑さがやわらぐと作業効率も上がるので、安全はもちろんのこと、近年よく耳にする生産性向上という観点からも導入するメリットは十分あるのではないでしょうか。
作業環境を整えて令和1発目の夏も乗り越えていきましょう。
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