レーザー墨出し器にはグリーンレーザーとレッドレーザーの2種類があります。
せっかくレーザー墨出し器を使うなら線がはっきりして見やすいものが作業しやすいですよね?
レーザー光はレッドレーザーよりもグリーンレーザーのほうが強力で見やすいので、グリーンレーザーの墨出し器は人気があります。
でもグリーンレーザーは温度の影響を受けやすいとかデメリット(欠点)を聞いたことありませんか?
もしそういう話を聞いてレッドレーザーの墨出し器を選んでいる方がいるならちょっと待ってください。
ひょっとしたらそれは一昔前の話になっているかもしれません。
グリーンレーザーの違い
レーザー墨出し器で『グリーンレーザー』と書かれていても、実は2種類の照射方式が使われており、どちらを採用しているかで性能も大きく異なります。
グリーン(緑色)レーザーの照射方式の違いとそれぞれの特徴について見ていきたいと思います。
グリーン(緑色)レーザーの照射方式の違い
グリーンレーザーの照射方式は以下の2つのものがあります。
- 変換方式(DPSS)
- 従来のグリーンレーザーに使われる方式で、レッドレーザーの光を変換してグリーンレーザー(緑色の光)を照射。
- ダイレクトグリーン方式(DG)
- 新しいグリーンレーザーに使われる方式で、グリーンレーザーを直接照射。
人が明るいところで見やすいと感じるのは波長555nm(緑色)の光と言われています。
従来は赤色の光を照射するレッドレーザーしかなかったため、見易いグリーン(緑色)のレーザーを作るには光を変換する方法しかありませんでした。
しかし変換方式は仕組みが複雑であるためさまざまな問題を抱えていました。
使用温度(低温・高温に弱い)の違い
変換方式のグリーンレーザーは結晶を使って光の波長を変換していますが、この結晶は温度の影響を受けやすい特徴があります。そのため、使用温度が高かったり低かったりするときはレーザーの光が見えにくいという問題がありました。
連続使用時間の違い
レッドレーザーをグリーンレーザーに変換するときは、赤色の波長(635~650nm)を一度緑色の倍の波長(1,000mm以上)に変換させ、それを半分の波長に変換するという2段階の変換を経て緑色の光が作られます。
1回目の変換で作られる波長は赤外線と呼ばれ熱を発生させるため出力が不安定になります。また、レーザーを照射するダイオードは熱に弱いため、製品によってはクールダウン時間が必要で連続使用時間が決まっているものもあります。
故障のしやすさの違い
変換方式はレッドレーザーを変換し、出力を調整するための装置が必要で構造が複雑です。また、旧式ダイオードは熱に弱いため赤外線によって生じる熱で寿命を縮める欠点がありました。
ダイレクトグリーン方式と変換方式の見分け方
ここまでの内容を読んだ方なら、グリーンレーザー墨出し器を買うならダイレクトグリーン方式のものを選びたいですよね?
高価なグリーンレーザー墨出し器はほとんどダイレクトグリーン方式を採用しているので問題ありませんが、安価なものには変換方式のもの混在しているため見分ける必要があります。
メーカーに問い合わせる
一番確実な方法はグリーンレーザー墨出し器の製造メーカーに問合わせることでしょう。
でもいちいち問合わせるのは面倒ですよね。
カタログやメーカーのホームページに載っている情報から見分ける方法を見ていきましょう。
商品紹介ページ・カタログの記載
先に紹介したとおりダイレクトグリーン方式はメリットであるため、採用している墨出し器の場合、商品紹介ページにダイレクトグリーンと表記している製品が多くあります。
反対にダイレクトグリーン方式ではないグリーンレーザー墨出し器の場合、変換グリーン方式などと記載されています。
何も書かれていないレーザー墨出し器の場合は、メーカーのホームページなどでFAQ(よくある質問と回答)や取扱説明書が見られないか確認してみましょう。
FAQにレーザーの変換方式が書かれている場合もありますし、取扱説明書の注意書きなどに「点灯後5~10分程度は光が安定しない」などと書かれている場合は、使用温度の影響を受けやすい変換グリーン方式を採用している可能性が高いと言えます。
安価なレーザー墨出し器はホームページにも情報が少なく、どちらの方式かわからない場合もあります。ダイレクトグリーン方式のレーザー墨出し器を購入したければ、メーカーに問合わせてみるか、はっきりと明示してある商品を選ぶようにしましょう。
>>ダイレクトグリーン方式を採用!レーザー墨出し器VOICE
まとめ
いかがだったでしょうか。
従来の従来のグリーンレーザーは、複雑な装置でレッドレーザーをグリーンレーザーに変換していたため、本体の温度上昇による使用制限や耐久性の低下など様々な欠点を抱えていました。
しかし、最近のダイレクトグリーン方式のレーザーは直接緑色の光を照射する単純な構造になっており、かつての問題が改善されています。
昔言われていたグリーンレーザーの欠点を気にしてわざわざレッドレーザーの墨出し器を使い続けている人がいるなら、次回購入するときはダイレクトグリーン方式のグリーンレーザー墨出し器を検討されてみてはいかがでしょう。
気を付けなければいけないのは、変換グリーン方式ではなくダイレクトグリーン方式を選ぶことです。